火力 × LNG 燃料コスト要因分解:Phase 2-A delivery の象徴
火力発電量 Q(METI 月次、GWh)× LNG ドル建て CIF P($/MMBtu)を「燃料コスト総額の代理指標」として、加法 3 要因分解で見る。Phase 2-A METI 12 系列 + Phase 0 燃料パイプラインが揃って初めて書ける、Phase 2-A delivery の象徴となる 1 本。
背景
電力会社の 燃料費総額は概ね「火力発電量 × 燃料単価」で決まる。火力発電量 Q は需要に応じて変動、燃料単価 P は LNG 国際市況で変動。両者が同時に動くと、燃料費総額は 3 要因に分解可能:
Δ(Q × P) = ΔQ · P₀ + Q₀ · ΔP + ΔQ · ΔP
↑ 火力出力要因 ↑ 燃料価格要因 ↑ 相乗効果
基準月: 2021-04(FY2021 開始月、再エネ大量導入後 + ウクライナ侵攻前の比較的安定期)。
Insight #15(円安 × LNG × JEPX 要因分解、需要側)と本記事(火力 × LNG、供給側)は 対の構造で、需要側 + 供給側の両方から燃料コストを見られる。
チャート 1: 全国火力発電量(GWh、月次)
チャート 2: 日本 LNG 輸入価格(CIF、$/MMBtu)
チャート 3: 火力 × LNG の 3 要因積み上げ(基準月 2021-04)
縦軸は基準月(2021-04)からの Q × P の変動量、3 要因(火力出力 = 青、燃料価格 = オレンジ、相乗 = 灰)の積み上げエリア。基準月の縦線(赤点線)から右側で各要因の寄与が読み取れる。
恒等式: aEffect + bEffect + interaction === total = aValue·bValue − a₀·b₀(vitest 3 ケース PASS で保証)。
数値で見る(L-010 期間明示)
基準月: 2021-04(火力 ≈ 50,000 GWh、LNG ≈ 7 $/MMBtu、Q × P ≈ 350,000 GWh·$/MMBtu)
ピーク月: 2022-08 前後(火力 ≈ 56,000 GWh、LNG ≈ 30 $/MMBtu、Q × P ≈ 1,680,000 GWh·$/MMBtu)
ピーク時の 3 要因(基準月比、概算):
- 火力出力要因(ΔQ · P₀): +12% 増の出力 × 基準価格 ≈ +42,000 GWh·$/MMBtu(小)
- 燃料価格要因(Q₀ · ΔP): 基準出力 × 4.3 倍の価格上昇 ≈ +1,150,000 GWh·$/MMBtu(支配的)
- 相乗効果(ΔQ · ΔP): 出力増 × 価格増 ≈ +138,000 GWh·$/MMBtu(中)
- 合計: 約 +1,330,000 GWh·$/MMBtu(基準値の約 3.8 倍)
期間: 2021-04〜現在の共通月、加法分解恒等式は
decompose3Factorで保証
月次相関 r(火力出力 × LNG、2021-04〜2025-12 の 60 ヶ月): +0.10〜+0.30(弱い正相関、Insight #22 と整合)
解釈
燃料価格要因が支配的: 2022-2023 年の燃料コスト増の 約 85-90% は燃料価格要因(LNG ドル建ての急騰)。火力出力増 + 相乗効果の合計でもわずか 10-15%。
Insight #22 の補強: 火力発電量と LNG 価格の相関が弱い(r=+0.10-0.30)ことを Insight #22 で見たが、本記事の要因分解で 「火力出力は需要が決め、燃料コストは別要因」 が改めて確認される。
FX 次元の補完: 本記事はドル建て LNG で見ているため、円安要因は含まれていない。円安込みの 4 要因分解(Q × LNG$ × FX 円/$ の構造)は Insight #15(FX × LNG × JEPX)と本記事の 組み合わせ読みで完結する。家計負担としての電気代は両者の合算で見るのが正しい。
電力会社の経営インパクト: 2022 年度の電力大手 10 社の 火力燃料費は前年比 +60-80%(数兆円規模)増加。これは LNG ドル建て上昇 + 円安の合成効果で、家計への燃料費調整制度経由の転嫁、または電力会社の経営圧迫として現れた。
Phase 2-A delivery の象徴: 本記事は METI 電力調査統計(Phase 2-A、2026-04 完成)+ World Bank Pink Sheet(Phase 0 より前)の 2 つのパイプラインが揃って初めて書ける。北極星「日本のエネルギーと金融の引用インフラ」の体現。
注意点
- 「火力発電量」は LNG + 石炭 + 石油の合計、燃料単価は LNG のみ → 厳密には精度差
- ドル建て LNG で見ているため、円安要因(USD/JPY)は本記事に含まれない(Insight #15 で別途扱う)
- 加法分解の相乗効果は数学的恒等式、経済学的解釈は別問題
- 基準月選択(2021-04)で各要因の絶対値が変わるが、構造は不変
関連 Insight
出典
- METI 電力調査統計(meti-terms)
- World Bank Pink Sheet(CC-BY-4.0)
- 当データはエネルギー情報センター運営 eic-data-pipeline が毎朝 8:00 JST に自動更新
構成系列: meti-gen-thermal(A)+ fuel-lng-jp-cif(B)/レンダラ: ChartDecomp、基準月 2021-04
編集物著作権: EIC Data (CC BY 4.0)
Phase B-A Day 10 で MDX 化(2026-05-07、リン)
📋 引用形式コピー
License: CC BY 4.0 / accessed_at は自動補完@misc{eic-data-thermal-fuel-cost-decomp,
title = {火力 × LNG 燃料コスト要因分解:Phase 2-A delivery の象徴 (thermal-fuel-cost-decomp)},
author = {EIC Data (一般社団法人エネルギー情報センター)},
year = {2026},
url = {https://data.eic-jp.org/insight/thermal-fuel-cost-decomp},
note = {Accessed: 2026-05-19; License: CC BY 4.0},
publisher = {EIC Data}
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