2022エネルギー危機で最も暴れたのは石炭:輸入燃料の値動き
2022年のエネルギー危機。原油は2.4倍、LNGは2.2倍に上がったが、最も激しく動いたのは石炭だった。豪州石炭は2020年比5.7倍に急騰し、その後反落した。電力会社の損益を揺らした「燃料の暴れ方」を見る。
背景:電力会社を揺らした、燃料の暴れ方
前記事「電力9社、そろって沈みそろって浮上」では、2022年度に電力9社が経常赤字に沈み翌年回復したV字を見た。その「入力側」が、輸入燃料の価格だ。日本が発電に使う原油・LNG・石炭は、2022年の危機でそれぞれどれだけ動いたのか。単位が違う3燃料を、2020年=100の指数で並べる。
データ:輸入燃料の年平均価格(2020 = 100)
| 燃料 | 2020 | 2022(ピーク) | 2025 | |---|---:|---:|---:| | 豪州石炭($/t) | 100(60.8) | 567(344.9) | 178(108.4) | | 原油 Brent($/bbl) | 100(42.3) | 236(99.8) | 163(69.0) | | LNG 日本CIF($/MMBtu) | 100(8.3) | 222(18.4) | 145(12.0) |
読み解き
- 石炭が最も暴れた:2022年、豪州石炭は2020年比**5.7倍(指数567)**まで急騰した。原油(236)・LNG(222)の上昇率を大きく上回る。欧州が天然ガスの脱ロシアを進める中で石炭への需要がシフトし、供給制約も重なって、相対的には石炭が最も激しく動いた(上のチャート=石炭価格 $/t)。
- 上がって、戻った:3燃料とも2022年をピークに2023年以降は落ち着いた。ただし2025年でも2020年比で石炭+78%・原油+63%・LNG+45%と、危機前の水準には戻っていない。
- 電力損益の「入力側」:この燃料急騰こそ、#80 で見た電力9社の2022年度 経常赤字の主因だ。燃料費の高騰を料金へ転嫁しきれず損失が膨らみ、燃料が落ち着いた2023年度に利益が反転した。燃料価格(入力)と電力会社の損益(出力)は、料金制度のラグを挟んでつながっている。
注: 本記事は過去データ(年平均、ドル建て)の記述的分析であり、将来予測ではない。原油・LNG・石炭は単位が異なる($/bbl・$/MMBtu・$/t)ため、2020年=100の指数で相対比較した。為替(円安)は別の要因で、円建てではさらに上昇幅が大きくなる。
出典
- 輸入燃料価格: World Bank, Commodity Markets(Pink Sheet), 月次。CC BY 4.0。
編集物著作権: EIC Data (CC BY 4.0)
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License: CC BY 4.0 / accessed_at は自動補完@misc{eic-data-fuel-crisis-2022,
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author = {EIC Data (一般社団法人エネルギー情報センター)},
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url = {https://data.eic-jp.org/insight/fuel-crisis-2022},
note = {Accessed: 2026-06-17; License: CC BY 4.0},
publisher = {EIC Data}
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