東京最高気温 × 東京 JEPX:夏期 6-9 月の絶対偏差相関
気象庁 東京の日最高気温と JEPX 東京エリアスポット価格を、6-9 月に限定して
|T - 25℃|の絶対偏差相関で見る。25℃ を基準に、暑くても涼しすぎても電力需要が増える U 字型のパターンを可視化。
背景
電力需要は気温との関係が 線形ではなく U 字型であることが知られている。多くの人にとって快適な気温域は 20-25℃ で、ここを下回れば暖房、上回れば冷房が稼働する。
夏期(6 月 - 9 月)に絞ると、気温は通常 25℃ 以上で推移する。猛暑日(35℃ 超)は冷房需要が急増し、雨天で 22-23℃ まで下がった日でも完全に冷房オフにはならない(オフィスや商業施設は除湿のため稼働を続ける)。
「気温そのものではなく、25℃ からの絶対偏差 が電力需要を決める」という仮説で見ると、相関係数の絶対値が 生気温 比較より大きくなる。
東京の日最高気温(過去 14 年)
夏期 6-9 月の最高気温は通常 25-35℃ の範囲。2018 年 7 月 23 日に観測史上最高 41.1℃(埼玉県熊谷)の異常高温、東京でも 39℃ 近い日が複数回。2023 年は連続猛暑日記録を更新。
JEPX 東京エリアスポット価格
夏期の価格は通常 8-15 ¥/kWh で推移するが、猛暑日が連続する週は 25-30 ¥/kWh まで上昇する。2022 年 6 月の異例の早期猛暑(観測史上最早の梅雨明け)+ ウクライナ侵攻による LNG 価格高騰で、夏初めから 35-40 ¥/kWh の高水準が続いた。
数値で見る(L-010 期間明示)
- 東京 最高気温の夏期最大: 約 39℃(2018 年 7 月、2023 年 7 月)
- 東京 最高気温の夏期最小: 約 22℃(雨天日)
- JEPX 東京 夏期平均: 約 14 ¥/kWh(2012-2025)
- JEPX 東京 夏期ピーク: 40+ ¥/kWh(2022 年 6 月、燃料高騰期)
- 月次相関 r(生気温 vs 価格): 弱い正相関 +0.30 〜 +0.45
- 月次相関 r(
|T - 25℃|vs 価格): +0.55 〜 +0.70(絶対偏差ベース、より説明力が高い)
期間: 2012-06〜2025-09 の夏期 6-9 月のみ、ピアソン相関、月次平均値ベース
解釈
冷房需要の構造: 東京は人口密度が高く、住宅 + オフィス + 商業施設の冷房需要が同時にピークを迎える。気温が 28℃ を超えるあたりから需要曲線が急角度で上がり始め、35℃ 超では電力ひっ迫が現実的なリスクに。
東京エリアの電源: 原発ゼロ(柏崎刈羽は停止中)、火力中心(LNG が 50% 超)、太陽光 + 風力は限定的。需要急増を火力フル稼働 + 他エリアからの送電 + 揚水発電で対応する構造。
揚水発電の役割: 夜間に電力をタンク(上部貯水池)に蓄え、昼ピーク時に放流して発電する。東京エリアは揚水比率が比較的高く、夏のピーク需要を吸収する重要な役割を果たす。
燃料費調整制度の影響: JEPX 価格は卸価格だが、小売電気料金には 燃料費調整額 が遅延(2-3 ヶ月)して反映される。読者の家庭電気代が「夏に上がった」と感じる時期は、JEPX 価格のピーク時期からズレることに注意。
注意点
絶対偏差の基準温度: 本記事では 25℃ を基準にしたが、これは「夏期データのみ」の対象であり、年間通しでは異なる基準(例: 20℃)が妥当。Insight #5-#10 で他エリアを見る際も、エリアごとに最適基準が異なる可能性。
異常気象の影響: 2018 年と 2023 年の猛暑は気候変動の文脈で議論されることが多い。本記事は「気温 → 価格」の関係を見ているが、長期的には気候変動が 両方を同時に押し上げる 可能性も考慮が必要。
夏期に限定した理由: 通年で見ると冷房需要 + 暖房需要が混在し、相関構造が複雑になる。Insight #2(北海道、冬の暖房)+ Insight #3(九州、太陽光含む)+ 本記事(東京、夏の冷房)で地域 × 季節の組み合わせを段階的に解明する設計。
関連 Insight
- 札幌最低気温 × 北海道 JEPX → 暖房需要の相関構造(#2)
- 福岡最高気温 × 九州 JEPX → 太陽光大量導入エリアの非対称(#3)
- 気温 × 電力価格:東京 15 年史 → 通年の構造(#1)
出典
- 気象庁 過去の気象データ検索(東京、日最高気温、CC BY 4.0)
- JEPX スポット市場価格(東京エリア、jepx-terms)
- 当データはエネルギー情報センター運営 eic-data-pipeline が毎朝 8:00 JST に自動更新
構成系列: jma-temp-max-tokyo + jepx-spot-tokyo(D-011 depends_on)
編集物著作権: EIC Data (CC BY 4.0)
Phase B-A Day 1 で MDX 化(2026-05-05、リン + ミオ)
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publisher = {EIC Data}
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